ウィンストン・クラスター
1940年代後半のある夜、創始者ハリー・ウィンストンはニューヨーク郊外にあるスカースデールの自邸に戻った際、ドアに飾られたクリスマス・リースに目を奪われました。きらめく新雪と霜の滴に覆われたこのリースは眩い輝きを放ち、彼はその時にあるユニークなアイデアを思いついたのです。彼は自社のデザイナーたちにこの話をし、彼のコンセプトはすぐに形となり始めました。ハリー・ウィンストンの指揮のもと、デザインスタジオの責任者であったネヴドン・クムルヤンにより象徴的なウィンストン・クラスターが生み出されました。完璧なプロポーションで立体的にセッティングされた、ペアシェイプ、マーキースカット、ラウンド・ブリリアントカットのダイヤモンドは、あらゆる方向から光を捉えて最大限の輝きを放ちます。
アムバジ・シンディ
1962年、クムルヤンのデザインチームにインド出身のデザイナー、アムバジ・シンディが加わりました。緻密で高い技術を持ったアーティストであったシンディは、ハリー・ウィンストンへの参画以前から、マハラジャのためにジュエリーをデザインしていました。シンディはニューヨークに到着したとき、当時流行していたデザインを熟知し、そこからインスピレーションを得ようと、ヨーロッパの雑誌やカタログをじっくりと研究したと言われています。彼のデザインは躍動感と威厳に溢れ、細部まで及ぶ緻密な描写を特徴としました。彼のレガシーは、美しいジュエリーや宝石の鮮やかさを表現するために水彩絵の具で描かれた美しくきめ細かいスケッチ等、芸術を通じてデザインに命を吹き込む才能によって築かれました。
モーリス・ガリ
1967年、才能豊かなデザイナーであったモーリス・ガリは、ニューヨークのいくつかの著名なブランドに在籍した後、ハリー・ウィンストンのデザインスタジオに加わりました。モーリス・ガリは、エレガンス溢れるデザインを描く天才でした。彼の作品は雑誌のページを美しく飾り、世界で最も著名なコレクションの多くに加えられました。数十年にわたるハリー・ウィンストンでのキャリアを終えて、モーリス・ガリは2016年に87歳で亡くなりました。彼は創始者ハリー・ウィンストンと同じく、自然の美しさへの愛と慈しみに溢れた人物として知られています。
ハリー・ウィンストン・デザイン
ハリー・ウィンストンのアイコニックで人気の高いコレクションの多くは、100,000点を超えるオリジナルのデッサンやスケッチが保管された膨大なデザインアーカイブからインスピレーションを得て誕生しました。これらの歴史的な参考資料の中には、象徴的なリリークラスターやサンフラワー・コレクションの元となった1940年代から1950年代のデザインも含まれています。5番街718番地にある本店からは、壮麗なアイアンゲートやエメラルドカットのフォルムのショーケースガラスなどが、ウィンストン・ゲート・コレクションやダイヤモンド・リンク・コレクションのインスピレーション源になっています。ハリー・ウィンストンのレガシーは、タイムレスな魅力を湛える現代的なデザインによって新たな命が吹き込まれるのです。